ソロル部屋
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143.[赤べこと化したいぶ] 【教授は自分に怯えている】
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「…ふふ、」昆虫観察をしていたとき、ふと自分にかけられたような笑い声。小鳥のさえずりのような、可愛らしい笑い声。ふと、その声の方を向くと、黒銀の輝くような黒髪の、美しい女性。思わず見とれてしまう。自分より全然小柄な彼女の名前はマリアと言うのだと教えてくれた。それから、自分がしていたことはなんだと問う彼女。「昆虫観察を。これでも教授をやっていまして。エーミールと申します。」と、彼女の笑みにつられ微笑んでしまう。「まぁ、教授様なのね、さぞかし頭が良いことでしょう、?」驚いたような顔をした後、また、天然、というのだろうか?嘘偽りのない笑みで返事をしてくる。嗚呼、見た目が綺麗なのは心が綺麗だからなのか。「いえいえ、そんなに凄い者でもありませんよ」と、ついつい彼女と話したくなってしまう。それから、何時間と話した。陽は沈みかけ、暗く静まった公園。彼女を自宅まで送り届けた。案の定良いところの育ちだったそうだ。「私のお家はここなのよ、ありがとうエーミールさん。とても楽しかったわ。またお話してくださるかしら?私お友達が居ないの、エーミールさんはお友達になってくださる?」意外だった。けれど、嬉しかった。普段あまりゆっくりできず、休暇でこんなに素敵な出会いがあるなんて。「ええ、勿論。また、お話しましょうね。」にこりと微笑み彼女が家に入るまで見届ける。嗚呼、自分は彼女が好きなのかもしれない。自覚したくはなかった。彼女にそんな気持ちを持っているとバレたら嫌われてしまうかもしれないから、今はLoveではなくLikeだと思っておきたい。
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さて、また休暇ができた。彼女に会いにいこうか。予め手紙を出しておいたから平気だろうか。家で、彼女の家に行く準備をしていると、ラジオから聞こえるニュース。《昨夜、何者かの手により、美術の名門家、ヴェルディ家の娘、ヴェルディ=マリア様が殺害された模様です。繰り返しお伝えします、昨夜____》「え」完全に彼女の名前だった。また、話したいと言ってくれた彼女の微笑みは、もう見れないものとなった。何故?何故彼女が殺されなくてはならない。何の取り柄もない自分に話しかけてくれた彼女の写真を握りしめる。きっと、彼女は寂しかったはずだ。嗚呼、待っていて、愛しい子。今すぐ私が助けてあげるから。 10/24 01:26 PC PC
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