ソロル部屋
# メニューの表示 @include('inc_bbsmenu-pc.php'); ?>
152.[機動的な財政戦略への投資の足掛かりを担うあたなか最前線] その時西の方角より大気を揺する程の大きな音がして、濛々たる黒煙が噴き上がった。方角を考えてもそれは昨晩自分がもてなしを受けた町の方であり、意識せずとも表情が強張っていく。場所が静かな事もあって、そう離れていないその町の方からは怒号や叫びが飛び交っている。まさかと目の前の赤い目の男に意識を戻せば、その目はすべてが計算ずくであると語ってた。
「少将殺しは予想していたものの多少派手だったな。もはやこの作戦は止められん」
そう、民権人に紛れるゲリラを炙り出すため、それまでもが仕組まれた罠であった。そして一網打尽にするために自らを囮にしてまで、陣地で目をくらませ本軍の大多数は町への侵攻を企てていたとは。今すぐこれを知らせに走らなければ、コハブの血族の本部すら危ういだろう。だがここでコイツを仕留めねば、後の被害が全くと言っていいほどの変化を見せるのではないだろうか……こんなチャンスはきっと、滅多にない。次は確実に罠を張られるだろうから。ダメだ、判断が鈍る。自分が今何を優先すべきか、その判断ができずにいる。
「行きたいんやろ、早う向かった方がええで。今回の作戦には精鋭の師団を投入しとるから」
優しげなテノールの声とは裏腹の、鋭い一撃を手元のナイフで受けながら、相手の声が耳元で聞こえる。話した内容が真実かどうかも解らない。それが相手にとって都合の良い選択肢だという事は解っていたが、仲間の所へ今すぐ戻りたいと願う自分の心と合致してしまった。下手にコイツに背を向けたら、殺されるだろう事も理解したうえで、それでも心と意識は相手の言葉によって仲間の元へと向いていた。
その間も容赦なく打ちこまれる相手の剣を受けた瞬間に、泥に足を取られて左手を地面についた。咄嗟に泥を掴んで相手の顔へと投げつける。相手の驚いた顔へ泥がかかり、低い呻きが聞こえた。相手の剣が自分の顔スレスレを横へ薙ぎ、首から掛けていた大切な十字の鎖を破壊した。両親の形見が泥の中へと落ち、耳元で鳴る鼓動が喧しい。この銀十字を拾っている時間を相手に与えれば命を失うだろう。時間が動き出した瞬間、体を反転させて川へと走る。通信を入れて仲間へと連絡を取ろうとするが、繋がらない。傍受されているのだろうと舌打ちする。結局相手の掌で転がされていたという訳だ。 10/29 19:35 PC PC
スレッドに戻る
トップページ
表示:
ツリー
スレッド
トピック
新規投稿
記事検索
友達に教える
戻る
管理者にメール
マニュアル
管理画面
レンタル掲示板イーボ
ebo.jp