ソロル部屋
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163.[「夏おわ」ストックホルダーであるイヤンホホ氏の後見人ナイ] 自分で言いながら顔が熱くなっていくのが解る。こんな事を明かしても、ただのおかしな人だと思われてしまうだろう。事実マリアの顔が不思議なものを見る様な目に変化しており、あぁまたスベってしまったなと口の中でごにょごにょと言い訳を並べていれば、マリアが手で口元を押さえながら小鳥が囀る様に笑い始める。
「やっぱりエーミールさんは楽しい方なのですね。それに、嘘がつけない正直な方とも。恥ずかしい事を伺ってしまってごめんなさい。でも私も、あまりこうやって自分から殿方へ話しかけるなんてないから、おあいこですわ」
二人の頬を夕日が染めて、恥ずかしさに赤くなった顔を誤魔化してくれた。それから帰るまでの間ゆっくりとした足取りで歩きながら、ぽつぽつと身上話をしながら彼女の家へと向かっていく。この幸せな時間も残すところ少しとなってしまった。すっかり日が暮れて街灯が夜道を照らす頃、彼女の家い辿り着いた。エーミールは思わず息を飲む。それはかなり大きな屋敷であり、驚いてポカンと眺めていれば、彼女がその屋敷の門を開いた。
「今日は本当にありがとうございます。エーミール教授」
「いえ、こちらこそ……休暇でこの近くまで足を延ばして正解でした。こんな有意義な出会いが得られるだなんて」
「一期一会にするには、勿体ないぐらいですわ。もっとエーミールさんのお話が聞きたかった。こんなに時間が早く過ぎてしまうだなんて」
彼女の顔を見れば、本当に名残惜しそうにしてくれているのがよく解る。ごくりと唾を飲んでから、彼女へ提案を投げかける。
「あの、お手紙を……また休暇が近くなったらお手紙を送ってもよろしいでしょうか。私も、あなたとまたお話したい。半日では、まるで時間が足りません」
「本当ですか? ええ、ええ勿論。嬉しいわ!」 11/08 14:38 PC PC
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