夏の終わり
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地割れの合間から聞こえる悪魔のような声での呟きは、やがて不敵な笑みとして口から洩れて大柄な彼の横たわるベッドをゆする。加害者へ仕返しをしてやろうという気持ちが湧いてきたおかげで、やっと起き上がり、いつもの軍服をビシッと着込んで、鏡を覗いて髪の毛を整え、椅子に丁寧にかけてあったマフラーを巻きながら、まだ誰も出てきていない廊下へとズンズン突き進んだ。突き進んで足を止めたのは、このメンバー随一の寝坊屋であるコネシマの部屋の前だ。彼は眠るのが好きである、隙あらば眠っている。何故かそんな彼の寝床にオスマンが出入りしているのを、トントンは知っていた。よくもあの寝相の悪いコネシマの側で寝たいと思うなと、謎の感心すら湧いてくる。彼の部屋をノックもせずに躊躇なく入ると、大の字で気持ちよさそうに眠っているコネシマと、自分と同じく今回の被害者である目当ての人物を見つけることができた。 「おはよートントン、どうしたの?」 「おはよう、オスマン。昨日は互いに“フューラーさん”にしてやられましたなあ。ハッハハハハハ!」 「ぇう? あ……」 肩をゆすられて起こされ、起きたばかりのオスマンの頭上に一瞬大きなクエスチョンマークが浮かぶ。しかし普段柔らかなテノールの声を持つ彼が、非常にドスの効いた声で“フューラーさん”だなんていうものだから、そんな眠気など一気にかき消された。恐る恐る隣の男の方を見ると、彼のパーフェクトなブチ切れスマイルがあった。珍しい赤い光彩を持つ彼の眼が1mmも笑っていない。オスマンは冷や汗をかいた。 昨日は不覚にも薬物耐性の強い自分ですら薬の魔術にかかってしまい、とても辛い思いをした。ただなんとかやり過ごすことができたが、もしあのまま誰かに迫られていたらきっとあられもない姿をさらして、前後不覚の状態で誰かと情交を結んでいただろう。そんなことにならずに本当に良かったお胸をなでおろす。あの瞬間、危険であろうグルッペンや鬱先生は自分の方へと引き寄せたが、まさか人畜無害そうなコネシマやショッピが、彼になにかしたのであろうか? 不安が自分の顔を引きつらせる。 「……トントン昨日は、大丈夫やった?」
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