夏の終わり
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扉の閉まるような音がして、グルッペンは目を開ける。あくびをしてから時計を見れば、6時半を回っている。1階に降りていけばきっとトントンが一人でご飯を作っていて、おはよう、と一番に挨拶をするんだ。 “トントンも気付いとるよ” 昨晩オスマンに告げられた言葉……今日は顔を合わせたら、開口一番に謝罪した方が無難であろう。それでも彼の機嫌が直らなかったらその時は説教を食らうかもしれないが。なんだかんだ言ってアイツは優しすぎる程優しく、俺には特に甘いのだ。たまに互いに感情的にはなるが、その後は必ず互いに歩み寄り、結局は腐れ縁のようにずっと肩を並べている。昔の記憶はまだあまり戻ってこないが、少なくとも士官学校時代からの付き合いだ。自分が死んでからも、彼は隣にいてくれる。彼が自分から離れていく事はない、そんな自負が胸のどこかにあった。ただ最近の彼はどことなく不安定だ。自分がなかなか記憶を思い出す事ができない事に苛立っているようであった。それについては本当にすまないと思っている。きっと話したい事も沢山あるのだろう。最近オヤツを盗み食いしたり、悪戯をしたり、ちょっとストレスを与えすぎたかもしれない。暫くは多少甘い顔も見せてやるかと決めて、自室の扉を開け、下へと向かう。 「あれ……トン助?」 キッチンへと向かい、そーっと中を覗く。しかし、そこにはトントンの姿はない。普段ならもう何品かのおかずがテーブルに配膳されており、よくつまみ食いができるのだが、それもない。トントンの名前を呼びながら辺りを探すが、庭にも彼の部屋にも、少なくともこの屋敷の中にはいないようであった。 「もしかして、メインの干し魚や卵が人数分なくて買いに行ったか……?」 こんな時間に彼が家から出ていくのは本当に珍しい。出ていても、すぐに戻れる距離にいるはずなのに、その気配もない。おかしいな……椅子に座って考え込んでいると、起きてきたゾムがしなやかな伸びをしながら、鼻をクンクンとさせる。
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