夏の終わり
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「てか俺の服、洗ってないんやけど!」 昼前にコネシマが降りて来て、洗い立ての服を探しているようであった。そしてそれが、洗われていない形で積んであったとあって、割と綺麗好きの彼はご立腹な様子だ。威勢のいい声を背に受けても、食堂で椅子に座っていたグルッペンとゾムの二人は、そちらを振り向きもしなかった。彼がうるさいのはいつもの事であった。それよりも朝ごはんを食べていないせいで力が出ない。もう正午近くだというのに、トントンは帰ってきていない。そういえば今日屋敷で見かけたのは、ここにいる三人だけである。 「……トン氏、戻ってこないな」 「せやね……」 「なんやトントン、どっか行ったんか?」 事情の呑み込めていないコネシマに、朝からの経緯を説明する。それから三人でどうしようかと話した結果、普段身の回りのことを手伝ってくれるオスマンの事を思い出した。 「そういえばオスマンは昨晩俺の部屋になんで知らんけど来て、普通に寝てたで、隣で」 「お前ら一緒に寝とるん……?」 「それは初耳だ……」 「知らんわ、アイツが勝手に来るんやし。んでまあ、俺が目を覚ました時には、もういなかったってわけさ」 ここでようやく、グルッペンは……いや、ここにいる三人全員は青ざめた。 「もしかして……出て行った?」 「え、じゃあごはん誰が作んねん……」 「じゃあ洗濯は……」 家事を任せっきりにしていたツケが今、強制的に支払わされようとしていた。 (要望があれば続く!)
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