夏の終わり
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家に着くと、コネシマを先に入らせる。どういう風の吹き回しかと疑いの目で見られたが、さほど重要じゃなかったためか。すんなりと先にある入った。そして、それについて行くように玄関に入る。花束は後ろで隠している。 「ん、おかえりなさい。グルさん、どこ行ってたん?」 玄関で目当ての人物に出会えるが、顔には出さず、「ちょっとそこまで」という。 「そうですか。お菓子用意してあるから、はよ上がってください」 「あ、待て待て。その前にお前に土産がある」 にこにこしながらそう言うと、トントンは首をかしげる。思い通りの反応だと、嬉しくなると相手に赤い菊の花を渡す。 「わぁ、菊やん。綺麗やなぁ……」 「いいだろう?ところで、トントン。赤い菊の花言葉を知ってるか?」 嬉しそうににこにこ笑いながらそう聞くと、予想通り知らないと答えた。よし、と明るく笑うと相手に耳を貸すように伝え、屈ませる。 「あのな……?」
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