夏の終わり
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「イフリートはそんなことせぇへん。さっきやって一緒に畜舎の中回って、豚さんとも仲良うしとったし……」 「それはまだ、イフリートが子犬やからなんよ。1年もすればイフリートは人間でいう所の成人や。そうなった時に事故が起こるのは、まずいと思わへんか?」 「う、せやけど……」 かくいうトントンもゾムの言いたいことは痛いほど理解している。確かにイフリートは今までゾムの言いつけに反して悪さをしたこともないし、粗相もしたこともない。この屋敷の皆にも懐いており、とても頭のいい子だという事は解っている。目の前で床を見てしょげるゾムを見ると、心がチクリと痛むのだが、管理者としては危機を予測して慎重にならねばなるまい。 「ごめんなゾム、とりあえず今すぐってわけやないから……ゆっくり決めよ、な?」 「うん……」 寂し気に去ってゆくパーカー姿を見送れば、入れ違いにやってきたグルッペンが早速口を出してくる。 「あんなに言わなくてもいいんじゃないか? なんか問題が起こってから対処すれば」 「あのですねぇ、俺も出来れば拘束なんてしたくはありませんけど、ひとらんがあれだけ溺愛している動物たちになにかあったら、彼の心の傷が計り知れんで?」 「うーむ、まあそれはそうだが……」 「グルさんは甘すぎます。簡単に考えすぎなんですよ」 そう言いながら自分の目の前を横切って書斎の机に着くトントンを見て、ついつい呟いてしまう。 「まったくトン助は堅物すぎる」 「バッチリしっかり、聞こえてるんですけどねぇ」 額に青筋が立ちそうな笑顔で返せば、慌てたグルッペンは彼の側に寄り、いつもの様に機嫌を取る。後ろから自分の首に腕を回してくるグルッペンを、まだ仕事中やと睨むトントンであったが、振り払ったりしないところを見ると満更でもなさそうである。目が合うと二人は誰も来ないうちに、静かに互いの唇の感触を確かめ合った。
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