夏の終わり
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「眠かったなら先に寝てても良かったのに」 「トン助はそうやって俺の事遠ざけようとしとるんやろ?」 「ちゃいますよ、変なグルさん」 「ふふふ……ま、俺の好きにさせてくれ」 部屋に戻れば、大きな窓から雪が降っているのが見えた。細かな雪が静かに降り積もって、大地はうっすらと白くなっている。 「あ、雪や……ついに降り始めてもうたな」 「おお、なかなか風情があるじゃないか」 その窓の前に布団を二枚敷き、二人で寝転がって明かりを落とす。傷ついた大地に降る雪は、今は白く静穏なひと時を与えていた。 「これが、いつまで続くんやろうか」 布団に肩まで入り、つい口にするその不安。しばしの沈黙の後、グルッペンが身を寄せ肩を抱いた。体温はないが、その心の温もりは誰よりも持っている彼の手が好きだった。トントンはそんな彼の肩へと自分の頭を預ける。 「不安がるな。もし何かあったとしても、守ってやる」 「せやな……期待しとるからな。今度は、おいて行かんでな。連れて行ってくれ」 互いの視線が交わる。それからそっと顔を近付け、互いの気持ちを確かめ合う。 どうか幸せの影に忍び寄る黒い戦火の気配を、雪が覆い隠してくれと願うばかりであった。 完
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