夏の終わり
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「っ、ダン先生でしたか。何の資料を……」 びっくりして体を跳ねらせるが、振り向くとそう言う。教師は、そんな言葉を遮るように「探さなくてもいいわよ。ねぇ……グルッペン君……一週間に何回してるの?」 「え?」 思わず聞き返す。 「分かるでしょう?自慰してるの?」 「あの……そういうのは、言いたくないです。よ、用事があるので帰ってもいいですか?」 震えた声でそう言って扉に向かうが、鍵が掛かっており開けれない。それに、気づくと焦る。この状況は危ないと理性が訴えてくる。 「あら?扉、開かないみたいね……」 「あ……そうだ。待ち合わせが……」 「いつも校門にいる黒髪の子でしょ?初等部の子……あの子なら遅くなるからって先に帰ってもらったわよ……」 「え……」 目を見開き、立ち尽くす。逃げられない状況を作られた。この後起こることは、恐ろしいということも分かっていたのに、暴れもできない。涙がでそうになっていると、教師に抱きしめられる。 「大丈夫、優しくしてあげるから……それに、ここは誰もこないから声を出しても大丈夫よ」
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