夏の終わり
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看護師と共に入ってきた面会者を見ると、目を見開いて絶句した。 「グル……さん……」 黒くて目が赤くて大きい化け物がそこに立っていた。 「ああぁああああぁぁああああああ!!!来るな!!く、るな!!」 キッと敵を見るようなで叫ぶと、近くにあったお菓子や筆記用具を投げつける。ただ恐ろしいものを死に物狂いで遠ざけようとしているようだ。 「グルッペンさん!やめてください!」 「やだ、怖い!怖い!あああああああぁああああぁぁああぁぁ!!」 涙を目に溜めると、そう叫んでその場にしゃがむ。看護師もその場にしゃがむと彼の背中を優しくさすった。 「大丈夫ですよー、怖くないです。……すみません、今日は調子よかったんですが……」 「……いえ、また来ます」 「はい、また落ち着いた時に」 そう看護師が言うと、化け物は病室から去って行った。 「あ、あぁ……あー……!!」 青ざめた顔ではっはっと短い息を繰り返す。看護師がなだめてもまだ落ち着かなかない。それほど恐ろしい人物なのだろうか、優しそうだったのにと看護師は思いながら、彼をベッドまで誘導すると、座らせる。
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