夏の終わり
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「トントン……どんな子だろう……」 第二棟の自分の子供部屋で鳥の巣型のベッドに寝転がりながらそう呟く。アーベルみたいに優しいのかな?それとも、エヴァみたいに意地悪なのかな?なんて考える。住むことには、少し不安はあるがどんな子が来るのかなんて考えるとわくわくしてきて。 「……仲良く……なれるかな。なれる……よな。……おやすみ」 そうぽつぽつと言うと、掛け布団をぐいぐいと引っ張ると潜り込み目を瞑った。 「大丈夫か?グルッペン」 後部座席に乗るグルッペンに父が心配そうに話しかける。話しかけられると、お行儀よく座るグルッペンの肩が揺れる。 「う、うん……」 「ふふ、心配しなくても大丈夫よ。グルッペン、すぐ仲良くなれるわ」 助手席に座る母がグルッペンに優しく言うと、車が動き出す。今日からなんだ……頑張らないと、なんて考えると、胸に手を当てて深呼吸をする。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせる。 数十分、乗っていると病院の駐車場に止まる。父が車から降りると、母と二人っきりで待つ。 「グルッペン、心配?」 「う、うん……母様……どんな子が来るか分かんないし、年も聞いてない……」 「ふふ、ゲラルトさん。伝え忘れちゃったのね。大丈夫よ、一回写真を見たことあるけどいい子そうだったわ」 「そうなん……」 「ほら、そんな顔しないでもうすぐで貴方のお友達が来ちゃうわよ」 母がそういうと、窓の外を見る。ぼろぼろな服を着ている黒髪の子。緊張してばっと下を向くと、座り直していつも来客に向けるような笑顔をする。父が車のドアを開けると、先ほど、遠くから見えた子……トントンが入ってくる。 黒髪で、服は従兄弟と違ってぼろぼろ。でも、目がとても綺麗だとグルッペンは思った。赤い目、林檎みたいに真っ赤な目。この辺りではあまり見たことのない目の色。でも、少しも変だとは思わなかった。なんだか、とても楽しくなりそうだなんて緊張を吹き飛ばすほどのわくわくが込み上げてきて、いつもの笑顔が出てしまう。 「お前が今日から、俺の遊び相手になってくれるんやって?」 思わず、いとこや友人にする口調でそう言うと、目の前にいるトントンは戸惑っていた。グルッペンはそんな姿を見ると、また笑って 「よろしくな!トン助!」 そう言って手を引っ張った。 おわり
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