夏の終わり
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彼はニヤッと笑えば、そう言って自分と同じぐらいか少し低い俺の頭をわしわしと撫でた。わしわしと髪型を崩されるように撫でられるのは嫌だけど、この人に撫でられると少し気持ちがいい。でも、それと同時に謎のうずうずとしたくすぐったさを感じる。それを隠すように撫でる手から避けると、グルさんに「校門で待っとるから遅れんでくださいよ?」と言ってかつかつと早歩きで校門に向かった。 少し素っ気なかったかななんてぼーっと考えていると、後ろの方からグルさんの声が聞こえ振り返る。 「トン助、ちょっと半分持ってくれ」 「そんなにチョコもらってたんすか……」 手には、紙袋にいっぱい入ったチョコレートが二つほどあり、グルさんの手を塞いでいた。あぁ、一緒に来て欲しかったのはこういうことだったか。なんて気づくと、少し恥ずかしくなった。彼のいう通り、紙袋の一つを受け取る。ぎゅうぎゅうに詰まっているのかずっしりと重かった。 「ふぅ……ありがとう。じゃ、帰るか」 グルさんは息を吐くと、シンプルなグレーのマフラーを巻き自分にそう微笑みかける。 彼の微笑む顔は少し苦手になってしまった。入学するまでは、平気だったのに、入学した途端になんだかどきどきと心臓がなってぞわぞわするようになり、苦手になってしまったのだ。自分より何倍も綺麗で整った顔に微笑まれると、誰でもこんな気持ちになってしまうなんてごまかしていたが、こうして彼の微笑顔を見ると少しだけ罪悪感が自分を襲って、すぐに目を逸らしてしまう。逸らしてしまうと、何も話せなくてより申し訳なくなる。 「ただいま。母上ー」 がらりと玄関の戸を開けると、グルさんはそう言いながら紙袋を床に置く。部屋の中は暖かく、鼻水がずるずると出てしまう。 「おかえりなさい。二人とも。……あらあら、こんなにもらって……でも今年はホワイトデー間に合わないから全部は返せないわね……」 「別に返さなくてもいい。さて、トン助。食べるぞ」 そうダニエラさんと話すと、台所から何か持ってきてまた紙袋を持って第二棟に向かった。
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