夏の終わり
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それから、彼の生家で暮らせば何か治るんじゃないかと思い試してみたが、与えた生活費を切り崩し、野菜を薄く切って捨ててしまう部分を取っておき、コンソメを爪の先ほどしか入れない薄いスープを飲んで生活しているだけだった。何処にも出かけず、第二棟から持ってきたであろうアルバムを広げしくしくと一人で泣いているだけだった。 あのままでは、彼は痩せて潰れてしまうかもしれない。なんて心配し週に一度、作った料理を持っていった。料理を持っていくと、嬉しそうに笑って何もない隣に話しかけた。それでも、その料理をちょこっとずつ食べて傷んでいても食べ何回もお腹を壊しているようだった。このままで彼は本当に幸せなんだろうか、いっそ、死んでしまった方が楽なのではないかなんて考えてしまう。すぐにハッとすれば、自分に兄さんと義姉さんが悲しんでしまうなんて言い聞かせていた。そろそろ、生活に慣れてきただろうし仕事を紹介してみよう。 「おじさんの友人が経営してるカフェで働かせてもらえるんですか?あ、ありがとうございます」 私の友人が経営してるカフェを提案してみた。終戦前も経営していたが、戦後も元気に営業中みたいだ。特に、若い客が多いので彼の優しげな端正な顔立ちはとても役立つだろう。 早速、来週の月曜から働いてもらうことになった。カフェの制服だと言って渡された背広を着せてみると、清潔感のある優しそうな美男子になった。首元には引っかき傷や首を絞めようとした痕があったので、それを隠すためにタートルネックのインナーを着せた。どんな服を着ても様になるのは今も変わらないんだなぁなんてしみじみと思う。 バイト初日にカフェを覗いてみると、優しげでどこかアンニュイな雰囲気の笑顔を客に向け、注文を取っていた。友人に後から聞いた話だが、カフェはただのカフェではなく執事カフェだったようで、本当の執事みたいで評判だったらしい。それを聴くと、私は嬉しくなった。
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