夏の終わり
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「あの、私是非エーミールさんのお話を色々聞いてみたい」 「えっ……あ、あぁ、私で良ければ、是非」 二人は初夏の日差しと柔らかな風の中、公園の小さなベンチへと移動してそこへ腰かけ、色々な話をした。彼女はやはりミヨイから来たらしく、長年を過ごした故郷を家族と共に発って、6年前にタミアラ国へと住まいを変えたという。自分の見識を広めるために住まいを移したと語る彼女はまさに解語の花のようで、それはやはり探求心の強いエーミールの心を打った。歴史や哲学、地理や政治の話など、彼女の見識の深さには教授である自分が舌を巻くほどで、それはエーミールが今まで体験してきたどんな時間よりも有意義に感じられた。あっという間の数時間だった。ハッと気づいた時には、もう空がオレンジに染まり、遠くから時計塔の音が聞こえてくる。 「すみません、つい話に夢中に!」 焦って立ち上がったエーミールを見て、マリアは首を横へ振った。 「そんな、私がお願いしてお時間を取らせてしまったのに……」 「あの、宜しければもう遅い時間ですし、家の前まで送らせてください」 そう言葉にした裏には、心配が半分、興味が半分であった。多少の下心がなかったとも言えない。こんなに自分の理想を描いたような女性に出会ったのは初めてであったから、是非素性が知りたかったし、今日だけで終わらせたくはなく……だがそれをストレートに言葉にするのは些か憚られた故、考えに考えた末の言動であった。これでNOと言われればそれまでだが、彼女はパッと顔を明るくして、よろしいのですか、と嬉しそうな声をあげた。 「勿論です。こんな、可憐な女性を一人で……夜道を行かせるわけにはいきませんので」 「可憐だなんて……そんな。お口がお上手なんですね、さぞかし女性にお慣れなのね」 その言葉にエーミールは目を白黒させ、ブンブンと大げさにかぶりを振った。 「そんな滅相もない! だって私はこんなに長い時間、女性と楽しくお喋りした経験なんか……なくて……」
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