夏の終わり
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ハッと目を開ければ、仰向けに寝そべっていた自分の顔の丁度上に、見慣れた姿があった。不思議な髪色と、不思議な恰好をした、自分が古書から封印を解いてしまった“神”の姿だ。神とは言っても、つい最近までは自称神を名乗る死霊なのかとばかり思っており、屋敷のメンツも半信半疑であった。しかし彼は、自分たち死者にも知らぬ、この世の理を理解していた。夜な夜な彼と話をして、自分もある程度はこの世の構造が解りつつある。 「ど、どうしました……まだ早朝じゃないですか」 むくりと体を起こせば、寝る前に読んでいた本が胸から落ちた。時刻はまだ朝の四時を回ったぐらいで、外は暗い。ここは屋敷の第二棟の倉庫に当たる場所で、昔のなじみでグルッペンに間借りしている自室でもあった。倉庫とはいえそこそこの広さがあり気に入っている。グルッペンの父である故ゲラルト・フューラーはなかなかの蒐集家であり、古物や古書などがミヨイ・タミアラを問わず沢山この倉庫や外の蔵にも眠っている。この倉庫を借りた際に掃除がてら色々な本を読んだものであった。その一冊に封印されていた(自称)というのが目の前にちょこんと座ってこちらを見ている(目が隠れているので本当に見えているのかは不明)しんぺい神その人(?)であった。 「しゅじんが、魘されてたからぁ!」 「えっ、魘されて……ああ、ちょっと昔の夢を、見ていたんです」 「しってるー! 視えてたの。でもいけないものがいたから起こしたの」 みえていた、という彼の言葉に、エーミールは首を傾げる。先程胸元から落とした、寝るまで読んで欲しいと言われて渡された鳥の本を拾い上げてきちんと閉じ、脇へと置いた。 「みえていた、ですか? どんなものが、みえていました?」 「あのね、えっとぉ……この人!」 そう言うとしんぺい神は立ち上がり、デスクの上に置いてあった彼の手製の図鑑を手に取ると、重そうに運んできてそれをエーミールへと手渡した。それから表紙を開き、ペラペラと数枚めくっていけば、そこに挟まっていたのは経年劣化して色あせてしまったマリアの写真だった。これは手紙で送ってもらったものを、大切にとっておいたものだ。
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