夏の終わり
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「いるから」 「いる?」 「しゅじぃんの事、心配して来てくれた、あそこから」 彼が指をさした時、丁度山の向こうから顔を出した太陽が窓から差し込んで二人を照らす。その光に照らされたしんぺい神の柔和な笑みと、空を真っすぐに指さす姿が、どこかこんな自分を無条件に受け入れ、一人の人間として認めてくれた懐の深さと純真無垢なその心が、彼女が目の前にいるような錯覚を与える。彼の指さす天井に目をやりながら、彼女が天国から自分を心配してくれている事を理解し、じわりと涙が込みあがってくる。 「しゅじん……? 泣いてるのぉ?」 はたと上げていた手をおろし、おろおろとしながら自分の顔へと背伸びして手を伸ばしてくる。その湧き出した水の様な透明さを持つ彼の姿に、ぐしりと鼻を鳴らして笑顔を見せてやれば、そのまま腰を屈めて彼を抱きしめる。 「ふえぇ?! しゅじんん」 「ありがとう、大丈夫やで。元気出たから」 それを聞くとしんぺい神は、きょとんとした顔から満面の笑みを浮かべ、嬉しそうに主人である男の首に腕を回した。 『マリア・ヴェルディ様 こうやってお手紙を書くのも随分と久しぶりになってしまいました。本日は晴れ渡る冬空です。雲一つない空の上から、君が天国で私を見守ってくれている事を知る事ができました。 私もきっかけがあり事件に巻き込まれて命を落としましたが、あなたとは逝く先が違ってしまったようです。それでもずっと見守って下さっていたのですね。本当に本当にありがとう。あなたの事は絶対に忘れません。 今私の隣には愛する人がいます。ちょっと変わった格好だし年齢も不詳だけど、私はその人が大変に大切なのです。愛する人はあなたと同じ様に純真無垢で、時折まるで小鳥が囀る様に舞い笑うのです。あなたもどうか幸せにお過ごしくださることを願ってやみません。それではまた次の手紙で。 あなたの良き友人 エーミールより』 完
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