夏の終わり
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「おはよう、オスマン。朝ごはんができとるから、寝坊しているであろうコネシマを起こしに行こうと思っていたところや。まぁ、先に起こしに行ってくれたみたいやけどな」 挨拶を返しながら、ニット帽をかぶったオーバーオールの青年に目を移すと、ふわりと宙を漂うオスマンも、優雅な仕草で二人の方を向き口元に手を当てて妖艶に微笑む。オーバーオールの青年シャオロンは、野に咲く野草のような明るい笑みで応じる。 「せやで、起こしたったんねん。感謝せぇよ」 「やかましい! 起こされんでもあの1分後には起きとったわ。いや〜勝ちましたわ」 煽る様にいじる彼に向かって、鮮やかな青い目をした金髪の男コネシマが腕組みをしてなぜか自分を納得させるかのように、力強くうんうんと頷いている。これは完全に彼の癖であり、よく見かける光景であった。 「まぁトントンに起こされるよりはよかったか……」 「どういう意味やねん」 コネシマの呟きが耳に入り、今日初めて表情を緩ませる。彼らとの生活は、戦時中に凍てついたトントンの心の鎖を着実に溶かしていた。 「ようやく起きてきたかお前達」 一階の大広間に入ると、そこには既に数人が集まっていた。声をかけてきたのは、この屋敷の主であるグルッペンだ。彼は自分のコレクションである拳銃を磨き上げ、その鈍色の輝きを光に当てて楽しんでいるようであった。その側では彼の武器を手入れする手元を見ていた元空軍の若者であるショッピが、コネシマを見て露骨に嫌な顔をする。まだ若いが彼も戦死しており、その体は日の光を透かしている。 「げ……もう起きてきたんすか。もう寝てたらいいのに、一生」 「なんやお前!? 俺もできるならそうするわ!」 挨拶より前に彼らは軽口をたたきあう。それが彼らの挨拶のようであった。それを側で聞いていたグルッペンがかくも楽しそうに喉の奥で笑い、一人先に席についてムシャムシャと朝食を頬張り始めたコネシマを見て、トントンは眉間に指をあててため息を吐いた。これが今の、彼らの日常だ。
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