夏の終わり

ソロル部屋

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169科学者の懺悔???v 2018/11/29 17:39 ?d?b3PC Android

( 目が覚めて、一番最初に目にしたのは机だった。突っ伏したまま寝落ちしてしまったらしい。頭をがしがしとやや乱暴に掻きながら、机に散乱している寝心地を上げることのない極薄の枕(またの名を書類という)を適当に一枚取って読む。差出人はどこぞの軍、内容は予想通りと言うべきか、自身の罪の象徴である『零式頓服薬』の提供を求めるもの。『零』の字が目に入った時点で片手でぐしゃりと丸めて後ろ手に床に放り投げる。既に起きていたらしいペットの猫が何だ何だと寄っていくが、それが動かないことを知ると途端に興味を無くし去っていく。ここまでの一連の流れを無かったこととして思考のすみに追いやり、またもう一枚取る。読む。捨てる。取る。読む。捨てる。取る。読む。捨てる。成程、昨日の自分がどういう気分でこんなに枕を散乱させたかが分かる気がした。中には『生成方法をデータにして送るだけでいい』というものもあったが、生成方法の記録の入ったデータなどとっくのとうに塩酸の入った瓶に投げ入れ、瓶ごと自家製プロパンライフルで燃やした。物質を葬っても記憶が葬られることはなかったが。それに、自分のように薬物耐性がない者があの悪魔を生成できる筈がない。確実に途中の行程でトリップして死ぬ。当時十数人いた研究チームが、出来上がる頃には自分含め片手で数えても指が余るほどしか生き残っちゃいなかったのだから。

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