「このタトゥーみたいなの。取れへんのかな」 テーブルに食事を並べている時に、ふと左手の甲に目が行き、赤い色の猪目をモチーフにした模様を見る。これができたのと同じ時ぐらいにぐるさん……セイバーが現れたんやったっけなんて考える。しかし、一体ライラはなにがやりたいのだろうなんて思いながら椅子に座り、手を合わせて食べ始めると見計らったかのようにセイバーが戻ってきた。「最初に召喚されるときにも思ったが、この家は懐かしい雰囲気がある。安心できるところになりそうだ」「……そうなん」 笑顔でそういうセイバーを見ると、心が痛くなる。 昼はお弁当を作って家周辺を調べることにした。空は明るく気持ちがいいほどの青空で、春先の気持ちいい風が吹いていた。戦場とは思えないほどのどかだった。建物も異常はなかったが、人がおらず寂しげだ。異常だと感じたことは、太陽が一番高い位置から動いていないことだ。ずっと昼の眠たくなるような心地の良い時間帯を保っているような感じだった。その太陽を囲みこむように薄く大きい光の輪と太陽を起点に地平線の向こうまで続くような線が等間隔で並んでいた。空はドームのようになっているんだろうか。「……」「ん?セイバー、どうしたん?」「なんでもない。ただ、人がいないなら関係のない、本来戦場にこなくてもいい人間を殺さずに済むと思っただけだ。俺は、ここに召喚された意味を知っている。戦うためだ。聖杯を手に入れるため、ほかのサーヴァントを殺す……。無駄な殺生は避けたいが、我が主人であるトントンにそれを捧げることが目的。俺は……私は、貴方に全てを捧げましょう。この身が朽ちても……」 決意に満ちた目でそう言い、俺を見た。タミアラで軍人をしていた時を思い出す。真っ直ぐな目を見ると、何故だか昔の出来事を思い出して後ろめたくなる。
「このタトゥーみたいなの。取れへんのかな」
テーブルに食事を並べている時に、ふと左手の甲に目が行き、赤い色の猪目をモチーフにした模様を見る。これができたのと同じ時ぐらいにぐるさん……セイバーが現れたんやったっけなんて考える。しかし、一体ライラはなにがやりたいのだろうなんて思いながら椅子に座り、手を合わせて食べ始めると見計らったかのようにセイバーが戻ってきた。
「最初に召喚されるときにも思ったが、この家は懐かしい雰囲気がある。安心できるところになりそうだ」
「……そうなん」
笑顔でそういうセイバーを見ると、心が痛くなる。
昼はお弁当を作って家周辺を調べることにした。空は明るく気持ちがいいほどの青空で、春先の気持ちいい風が吹いていた。戦場とは思えないほどのどかだった。建物も異常はなかったが、人がおらず寂しげだ。異常だと感じたことは、太陽が一番高い位置から動いていないことだ。ずっと昼の眠たくなるような心地の良い時間帯を保っているような感じだった。その太陽を囲みこむように薄く大きい光の輪と太陽を起点に地平線の向こうまで続くような線が等間隔で並んでいた。空はドームのようになっているんだろうか。
「……」
「ん?セイバー、どうしたん?」
「なんでもない。ただ、人がいないなら関係のない、本来戦場にこなくてもいい人間を殺さずに済むと思っただけだ。俺は、ここに召喚された意味を知っている。戦うためだ。聖杯を手に入れるため、ほかのサーヴァントを殺す……。無駄な殺生は避けたいが、我が主人であるトントンにそれを捧げることが目的。俺は……私は、貴方に全てを捧げましょう。この身が朽ちても……」
決意に満ちた目でそう言い、俺を見た。タミアラで軍人をしていた時を思い出す。真っ直ぐな目を見ると、何故だか昔の出来事を思い出して後ろめたくなる。