>>1( ぱちり、と目を開ける。見慣れない天井、いつもより暗い部屋、窓からは少し光がさしている。…月の光、か。目を覚ました今、鈍くて役に立ちそうにない体内時計は夜の3時をさしていた。もう一度眠るか、という思考を持ち始め、ベッドにぼふんと倒れて目を閉じてみるが、すぐに眠気など来ることはなかった。まるで、身体と脳が眠ることを拒否しているくらいに。諦めて、ベッドに寝転がりながら目をもう一度開ける。何故眠れないのか。…もしかして、覚えていないだけで何か夢を見たのか?そうしたらなんの夢なのだ……あぁもう、考えるのが面倒くさい。ふっと一瞬で思い出せればいいのに。「 あ"ー… 」と小さな声で呻く。こんな時間に起きてしまっては、他にやることなどないだろう。ご飯は別にお腹は…すいているが、皆と一緒に食べたい。一人なのはもう充分なのだ。 … 本当に、何の夢を見ていたのだろう。夢は目が覚めた時点で覚えている人と覚えていない、とわかれるが今回は後者のようだ。心が痛くなる程に辛い夢だったのか?心から笑顔になれる程楽しい夢だったのか?…かちり、とピースを脳内で当てはめていく。ハマったのは、前者。…辛い、夢?何を見ていたんだ…はぁ、と溜息をつく。同時に、何かが滑り落ちる音がした。音がした方向は、自分の胸元。…そこにあったのは、こっそりとかけている十字架のネックレス。懐かしいな、これは“彼奴”がくれた物だ。誕生日の時に、…“彼奴”、? .)
>>1( ぱちり、と目を開ける。見慣れない天井、いつもより暗い部屋、窓からは少し光がさしている。…月の光、か。目を覚ました今、鈍くて役に立ちそうにない体内時計は夜の3時をさしていた。
もう一度眠るか、という思考を持ち始め、ベッドにぼふんと倒れて目を閉じてみるが、すぐに眠気など来ることはなかった。まるで、身体と脳が眠ることを拒否しているくらいに。諦めて、ベッドに寝転がりながら目をもう一度開ける。何故眠れないのか。…もしかして、覚えていないだけで何か夢を見たのか?そうしたらなんの夢なのだ……あぁもう、考えるのが面倒くさい。ふっと一瞬で思い出せればいいのに。「 あ"ー… 」と小さな声で呻く。こんな時間に起きてしまっては、他にやることなどないだろう。ご飯は別にお腹は…すいているが、皆と一緒に食べたい。一人なのはもう充分なのだ。 … 本当に、何の夢を見ていたのだろう。夢は目が覚めた時点で覚えている人と覚えていない、とわかれるが今回は後者のようだ。心が痛くなる程に辛い夢だったのか?心から笑顔になれる程楽しい夢だったのか?…かちり、とピースを脳内で当てはめていく。ハマったのは、前者。…辛い、夢?何を見ていたんだ…はぁ、と溜息をつく。同時に、何かが滑り落ちる音がした。音がした方向は、自分の胸元。…そこにあったのは、こっそりとかけている十字架のネックレス。懐かしいな、これは“彼奴”がくれた物だ。誕生日の時に、…“彼奴”、? .)