「喜べ。エーミール、ランサー。お前たちが勝者だ。今より景品である聖杯をやろう。受け取れ」 二人を見ながらそういうと、自分の胸から聖杯を取り出す。両手で包み込むように持つと二人の前にかかげる。「受け取れ、エーミール。そして空に掲げ願いを言え」「がはっ!あ……こんな、っごほ!状況で受け取れるとでも……?がはっ!」 エーミールは苦しそうに心臓を押さえながらそう言う。いじらしい姿だなんて思い、笑ってしまう。「では、ランサー。お前が代わりにやれ」「う、うん!主人に願い事おしえてもらった!」 子供のようなたどたどしさでそう言うと、私のところまで聖杯を取りに来る。「おめでとう。ランサー。……どうだ?瀕死のマスターを踏み台にしての勝利は」「……は?」 渡す時にそう言うと、ランサーはきょとんとした顔をして固まってしまう。そんな姿が面白く吹き出してしまう。この様子だと知らなかったのか。「お前の魔力はたしかに無尽蔵だ。だが、供給源であるエーミールの魔力が無尽蔵だとは私は、一言も、言っていない」 ランサーに言い聞かせるようにゆっくり強調していう。ランサーを見れば、すっかり青ざめた顔をしてエーミールを見つめていた。「主人……?」「私の事なんていいです!はやく、はやくあの願いを!」「やだ……主人、死ぬの?やだ……やだ、やだやだやだ!!」「しんぺいさん!!」 完全にパニック状態となったランサーをなだめようとするエーミール。なんて、なんていじらしいんだろう。可哀想だ。こんなことを言われてしまえば、ランサーは確実に自分自身の自分勝手な願いを叶えてしまう。最後の大事な瞬間を大事なパートナーに壊される。なんて絶望的だろう。にたにたと笑いながら二人を眺める。あぁ、これだからやめれないんだ。「願い、願いは……!」「しんぺいさん待って!」 その瞬間が来た。そう思い、二人から離れたところで眺めることにする。「主人を……!エーミールを……!」 戦争が終わる……!
「喜べ。エーミール、ランサー。お前たちが勝者だ。今より景品である聖杯をやろう。受け取れ」
二人を見ながらそういうと、自分の胸から聖杯を取り出す。両手で包み込むように持つと二人の前にかかげる。
「受け取れ、エーミール。そして空に掲げ願いを言え」
「がはっ!あ……こんな、っごほ!状況で受け取れるとでも……?がはっ!」
エーミールは苦しそうに心臓を押さえながらそう言う。いじらしい姿だなんて思い、笑ってしまう。
「では、ランサー。お前が代わりにやれ」
「う、うん!主人に願い事おしえてもらった!」
子供のようなたどたどしさでそう言うと、私のところまで聖杯を取りに来る。
「おめでとう。ランサー。……どうだ?瀕死のマスターを踏み台にしての勝利は」
「……は?」
渡す時にそう言うと、ランサーはきょとんとした顔をして固まってしまう。そんな姿が面白く吹き出してしまう。この様子だと知らなかったのか。
「お前の魔力はたしかに無尽蔵だ。だが、供給源であるエーミールの魔力が無尽蔵だとは私は、一言も、言っていない」
ランサーに言い聞かせるようにゆっくり強調していう。ランサーを見れば、すっかり青ざめた顔をしてエーミールを見つめていた。
「主人……?」
「私の事なんていいです!はやく、はやくあの願いを!」
「やだ……主人、死ぬの?やだ……やだ、やだやだやだ!!」
「しんぺいさん!!」
完全にパニック状態となったランサーをなだめようとするエーミール。なんて、なんていじらしいんだろう。可哀想だ。こんなことを言われてしまえば、ランサーは確実に自分自身の自分勝手な願いを叶えてしまう。最後の大事な瞬間を大事なパートナーに壊される。なんて絶望的だろう。にたにたと笑いながら二人を眺める。あぁ、これだからやめれないんだ。
「願い、願いは……!」
「しんぺいさん待って!」
その瞬間が来た。そう思い、二人から離れたところで眺めることにする。
「主人を……!エーミールを……!」
戦争が終わる……!