夏の終わり

ソロル部屋2

レス表示:新着順 古い順
1はとぽ???v 2019/03/11 20:44 ?d?b3PC Android

多くなったので

2Fa.teパロ3(わぶぶ)???v 2019/03/12 20:57 ?d?b3PC iPhone

タミアラの聖杯戦争3

「まぁ、頑張ってや」
昨日の戦闘で疲れ、寝ているとそんな声が頭の中をこだまして起きる。簡素なベッドに手をついて起き上がり、周りを見る。だけど、もうトントンはいなかった。ただの空耳や。
「マスター、顔洗い。顔色良くない」
アーチャーにそう言われると、うなづいて洗面所へ向かう。
トントンがいた家、もとい元の世界で居候している家より簡素で狭い家。なぜここなのか、前にライラに聞いたことがあった。でも、何も答えなかったっけ。そう考えながらタオルで顔を拭くと、キッチンに向かって朝食を準備する。キッチンからリビングが見える構造になっているため、リビングのソファーに座ってうたた寝をするアーチャーが見え、微笑む。ここに来て3日目。1日目は誰も仕掛けてはこなかったから、情報とか準備するために設けられた日なんだろう。2日目はセイバーを殺すためにトントンのところへ行って勝った。今日は、どうしようかなんて飯を食べながら考える。ライラにほかのサーヴァントの居場所でも聞いて殺りに行こうなんて考える。
食器を片付けようとすると、ひとりでにテレビがつき、ライラが映った。さわやかなBGMがうるさいほど響いていたからか、アーチャーも起きる。
「マスターの皆さーん!聞こえてますかー?それでは、朝の脱落者情報行ってみよーっ!」
明るくテンションの高い声でそういうと、手作りテロップが画面いっぱいに映る。可愛らしい豚の絵と剣が描かれている。
「セイバー、真名はグルッペン・フューラーとそのマスタートントンが脱落。あと6名の皆さーん今日も1日頑張りましょー!」
そう淡々と言えば、電源がプツリと消える。脱落者情報……脱落者が出たらこうやってお知らせされるのか、なんて思いながら食器を洗う。

3Fa.teパロ3(わぶぶ)???v 2019/03/12 20:58 ?d?b3PC iPhone

「今日は誰を始末しに行くん?」
「後でライラに位置聞いて決めるわ。ゆっくりしとってええで」
「了解」
そういうと、アーチャーは霊体化して何処かへ行ってしまう。
洗った皿を乾燥機に入れていると、ふと左手の甲の令呪に目がいく。自分が着ている服のデザインと同じデザインの令呪。顔にみえるような並びの四角い模様。トントンのは確かハート型だったよな……マスターによって違うんか?なんて考える。
やることが終わると、テレビの前に座って画面に話しかける。
「はいはーい。呼ばれて飛び出ないライラです。何か質問ですか?」
「近くのマスターの居場所を教えてくれ」
「はーい、ちょっと待っててください」
ライラはそういうと、画面の下の方にある機械を操作し始める。すると、画面にはこの世界の地図が映し出される。正円の土地で、中心から均等に等間隔にほかのサーヴァントを表すマークがつけられていた。
「こうなっとるんか……とすると……近いのはバーサーカーやな……」
「近いように見えますけど、崖とか川とか森とか適当に配置されてるので気をつけてくださいね」
「わかってる。ありがとな」
「どうも、次回があったらよろしくお願いします。……あ、どうかお気をつけて。今日は雨が降るので」
消そうとテレビのボタンに手を近づけると、ライラがそう言って微笑む。それを聞くと、テレビを消す。雨……プログラムに天候でも追加したんやろかなんて考えながら外に出る支度をする。アーチャーと呼べば、しゅっと目の前にアーチャーが現れる。

4Fa.teパロ3(わぶぶ)???v 2019/03/12 20:59 ?d?b3PC iPhone

「バーサーカーんとこ行くで。そいつをやるんや」
「分かった。また奇襲でええん?」
「んー……せやな。カウンターされてもお前の方が俊敏やろ」
「……油断しない程度に」
パーカーを羽織って玄関に行けば、靴を履いて外に出る。アーチャーと忘れ物がないか確認してから家の鍵を閉める。確か、雨がなんとかって言ってたけど大丈夫だろなんて思い、バーサーカーの家の方面へ向かう。

岩の多い場所にいるからか、行くのは大変だった。大きな岩を越えて、川を越えてやっとバーサーカーの家が見えるあたりまで来る。疲れたから近くの岩に腰をかけて水筒のお茶を飲む。
「…………マスター、何か来る」
「ん?……バーサーカーか?」
アーチャーが警戒した声でそう告げる。水筒の蓋を閉めながらそう言うと、足音が聞こえるように静かにする。
「……違う。これは……普通やない」
がさがさっがさがさっと草を掻き分けるような音が聞こえ、あたりを見回す。普通じゃない?どういうことなんだろうと、アーチャーを見る。
「周りにいる……これは……『俺ら』と一緒やない……これは……」
小声でそう呟くアーチャー。いつも冷静なのに何故か焦ってるように聞こえる。サーヴァント以外に何かいるんだろうかなんて考えていると、また草を掻き分ける音が聞こえる。今度のは先ほどより速い。

5Fa.teパロ3(わぶぶ)???v 2019/03/12 20:59 ?d?b3PC iPhone

「っ!後ろや!!」
そう言いながらアーチャーは俺の方向を見る。
「ぶっぶー!ざーんねん!」
底抜けに明るい声と一緒にアーチャーの背後にサーヴァントがいた。手に持っている棒のような武器を見る限り、ランサーだった。なんて不意に、呑気に考えてしまう。なんで、今そんなこと……
「あぁああぁあぁあああああぁっ!!!!ランサァアァアアアァアァアアアァッ!!」
けたたましいアーチャーの叫び声を聞くと我に帰る。
アーチャーを見ると、体に鎖骨から腰までランサーの長い得物が突き刺さっていた。串刺しだ。そんなアーチャーの姿に目を見開いて驚く。あの時のトントンと同じように。
「いやー、ゾムさん? ごめんなさい」
「エミさん……?」
後ろからコツコツと靴を鳴らしながらエーミールが出てくる。ここで出てくるということは、ランサーのマスターだろう。
「殺す!!お前ら!殺してやるッ!!」
「うるさい……」
死んだと思っていたアーチャーの叫び声を聞くと、はっとする。そうだ、普通の人間じゃないんだった。なら、まだできる。そんなことを考えると、左手の甲を押さえながらアーチャーを見る。
「令呪を以って命ず……宝具を解放せよ!アーチャー!」
そういうと、令呪が光り口の部分が消える。アーチャーはランサーの槍から抜け出すと、不敵に笑う。エーミールを見ると、驚いたような顔をしていて

6Fa.teパロ3(わぶぶ)???v 2019/03/12 21:00 ?d?b3PC iPhone

「お前ら全員死ねや!我が弾は心を砕き、その魂を奈落の底へ落とす。『全ては遅き後悔へ(スナイパー・リグレット)』!」
小さな体に似合わない大きなスナイパーライフルを持つと、ランサーに向かって打つ。強い光と大きな発砲音、強い爆風であたりはいっぱいになる。数十秒でそれらは消える。恐る恐る目を開けると、ぐったりと倒れたアーチャーがいた。驚いてランサーの方をみれば、ランサーは無傷だった。だが、周りは焼けえぐれ、威力は相当のものだったとわかる。
「アーチャー!アーチャー!!」
アーチャーの小さな体を抱くと、体を揺さぶる。決まっていれば、次のステージへ行けた。失敗したから倒れてるのか?なんてぐるぐると焦って考える。
「はいはーい!そこまで!ゾム、エーミール!」
泣きそうになりながら揺さぶっていると、ライラの声が聞こえる。まさか、勝敗が決まったと判断されたんだろうか。
「エーミールアンドランサー、シャオロンアンドアサシンの勝利を確認しました。脱落者は、マスターゾム、アーチャー、真名をロボロ。マスター兄さん、バーサーカー、真名をクラレ。以上が脱落となりまーす!今からサーヴァントを座に還し、マスターを現実世界へ送る作業をするのでお待ちください」
話が終わる。アーチャー……ロボロに覆いかぶさるように項垂れる。心は絶望に満ちていた。

7Fa.teパロ3(わぶぶ)???v 2019/03/12 21:01 ?d?b3PC iPhone

「ゾムさん。ごめんなさい。ライラさんにね、誰かと戦わないとこの世界から出さないって言われて……本当はやりたくなかったんです」
「本当はって、本当はってなんなんや!それが懺悔のつもりか! そんな理由なら、ロボロやなくて他のサーヴァント狙えばよかったやん!なんで、なんで俺なん?ロボロなん?なぁ!エミさん!!」
泣きながら発狂したようにそう叫ぶ。
「……ランサーさんがね。提案したんですよ。属性的にも有利だからって……シャオロンさんと同盟組んでもらって今日実行したんです……本当にごめんなさい……」
「……また、また負けた。また守れへんかった……こんな世界に無理やり来て、こんな思いに無理やりさせられてもう嫌や……」
しゃっくりをあげながら泣くと、そう呟く。ジジッと機械音が聞こえると、空を見上げる。
「サーヴァント、座へ還します」
その言葉を聞くと、ロボロをきつく抱きしめた。今まで堪えてた分、全部泣いているんじゃないかと思うぐらい泣いた。
さらさらと金色の砂に変わっていくロボロを抱きしめていると、ぽつぽつと雨が降って完全に消えた頃にはザァザァと激しく降っていた。

8Fa.teパロ3(わぶぶ)???v 2019/03/12 21:01 ?d?b3PC iPhone

「マスター、現実世界へ帰ります」
「なぁ、ライラ」
「……はい、なんでしょう」
ライラを呼ぶと、目の前にパネルが現れそこに彼女の姿が映し出される。
「ランサーがあの宝具でやられとったら、勝っとったか?」
「はい。確実に……ですが、魔力が足りずここに現界するのはできないでしょう。結果的には、サーヴァントを失い脱落です」
「諦める道しかなかったんか」
「残念ながら」
その言葉を聞くと、歯を食いしばり左手で拳をつくって地面を殴る。行き場のない怒りと絶望が自分の中で渦を巻いていて
「ゾムさん。やめてください」
「……呪われろ。全員死んでまえ!こんなの、こんなの……!誰も__」
エーミールを睨みつけながらそう叫んだ。最後の言葉は、声にもならずに自分の姿と共に空へ消えていった。

続く
ゾム、兄さん脱落。あと4名

9Fa.teパロ4(わぶぶ)???v 2019/03/22 18:44 ?d?b3PC iPhone

タミアラの聖杯戦争4

「同盟?」
聖杯戦争が始まり2日目が経った頃、ライラからエーミールが俺に用があると伝言があった。ちょうど暇だったからなんて軽い理由ですぐに会いに行くことにした。ライラに場所を教えてもらうと、エーミールが住んでいる大きな屋敷につく。そして、応接間へ連れていかれ、今に至る。
「はい、同盟……というよりは不可侵に近いかと」
「ふーん……で、なんで俺なん?他にもおるやろ」
たばこの煙が蔓延する部屋でそんなことを話す。俺じゃなくても、トントン、ゾム……他にもいたはずなのにと少し警戒しながら話す。
「うーん……なんとなくです」
「なんとなく……?はぁ?本気でいっとるん?」
「はい」
「……馬鹿やなぁ。エミさんは……今ここで敗北してるかもしれへんのに」
「ふふ、私は大丈夫ですよ」
くすりと不敵な笑みを浮かべた相手を見る。なんか必勝法でもあるんかなんて思うと、気になる。大人しく同盟組んでも損はないやろなんて考え、組むことにする。
「よかった。シャオロンさんなら受けてくれると信じてました」

10Fa.teパロ4(わぶぶ)???v 2019/03/22 18:45 ?d?b3PC iPhone

「で、なんか必勝法でもあるんか?大丈夫言うとったけど」
「えぇ……ランサー、来てください」
そういうと、手を叩く。するとエーミールの背後に薄い水色の髪のランサーが立っていた。
「どうしたの?ご主人」
するりとエーミールの首を後ろから抱いた。なかなか仲は良いんだろうななんてぼーっと考える。
「私のサーヴァントのランサーです。彼は他のサーヴァントと違う神霊なんです」
「神霊?なんやそれ」
「神の霊で神霊……ライラさんから聞いた話によると能力、魔力、どれもふつうのサーヴァント以上の威力を誇るようです。英霊なんて比ではないほど強いんです。なので、私はこの場であなたが襲ってこようとも彼がなんとかしてくれるんです」
にこりと柔らかく笑ってる言っているが、えげつない程のチートキャラを手に入れたってことだ。なんだかムカつく。
「ふーん……で、お前は誰狙うん?俺は前から目星つけてた兄さん行くんやけど」
「アーチャー」
マスターであるエーミールより早くランサーがそう答える。アーチャー……ランサーには都合がいいんだろうか
「では、私たちはアーチャーを狙います。行動は別々になりますが、お互い狙わないこと、裏切らないこと。ちゃんと守ってくださいね」
「分かっとるわ……明日、決行な」
それだけをいうと、エーミールの屋敷から立ち去る。

11Fa.teパロ4(わぶぶ)???v 2019/03/22 18:46 ?d?b3PC iPhone

「ええん?マスター」
「何がや、アサシン」
「いや……簡単に約束していいんかなって」
「別に彼奴は騙れるほど器用やないし、できたとしてもどっかにボロ出るはずや。穴があったらそこから打開すればええだけ」
「それならええんやけど……」
アサシンに心配されるとかなぁなんて思いながら自宅に戻る。
2日目は明日に備えて魔力の補充や戦闘準備をした。

3日目、朝には脱落者としてトントンが紹介された。彼奴なら上手くいけると思ってたんやけど……なんて考えながら朝食を済ませると早めに出かける準備をする。俺の家から兄さんの家まで距離がある。早めに用意しても差し支えはない。
「行くで。アサシン」
「はぁーい、マスター」
アサシンが呑気な声でそう言う。屋敷の近くまでいくと、アサシンのスキル、気配遮断を使ってもらい俺以外いないようにする。
「ここか……」
タミアラにあるような洋風なお城。天気が悪いのも相まってなんとも不気味だった。無用心にも開いていた扉から城の中に入る。
「うっ、なんやこの匂い……」
強烈な薬品臭が俺の鼻をつく。吸い続けたら多分死ぬだろうなんて考え、一旦外に出る。

*前 ??
次の頁(返信数:58)
?????`スレッド設定
本日:[ 12 ] 昨日:[ 17 ] 累計:[ 555 ]
本日:[ 1 ]  昨日:[ 0 ]  累計:[ 3,337 ]