戦争が終戦を迎え、両国大きな傷を負いながらも勝敗を決めて、多くの犠牲者が出た、とある月の終わりの暑い夏。その多くの犠牲者の中には、自分の大切な仲間も、幼馴染も勿論含まれている。何故自分が生き残ってしまったのだ、辛い生活など送りたくなかったのに。脳で想う言葉、哀しみや沢山の後悔に覆われた心は、幼馴染が死んだことが受け入れられずにいた。まだ居る、居るんだ。この世界のどこかに。そう十字架に願いながら探し続け、最終的に四層へ敵国の陸軍師団参謀長と、狙撃部隊の二名、同国の諜報部の彼一名と共に進んでいった。…まぁ、手遅れだったわけだが。その後、屋敷へと住み始め、敵国の人でも信頼出来る仲間になり、新しく狼も飼い始めて、楽しい楽しい生活を送っていた。誰にも言えない悩み、というのもあるし、記憶を交換した、右目が無い彼の存在も他の皆よりも大切な存在となった。…さて、こうして今までのことを話してみた。だが、時折思うのだ。もしも、あの時の行動と別の行動をしていたのなら、どうなったのか…生きて帰る、という約束が守れていたら。一人で生きていたけれど、誰かを信じたり守れたりすることができていたら。自分の師団が壊滅することが無かったら。戦場で共に戦っていた仲間が亡くならなかったら。最後の最後で、自分らしくいられたら。皆が無事で、笑顔で居てくれたなら。信頼していた仲間に、嘘だけでなく本音を言えていたら。動物だけでなく、人にも構ってあげていたなら。自分のせいで他人が死ぬ、なんてことがなかったなら。神使いの生贄として生まれて来なかったなら。自分の思う後悔が、その違う行動で後悔では無くなるのではないか?時が進んだ今、そんなことは有り得ないが。もしも、あるとするならば、……, この世界線で違う選択肢を選んだなら。僕らはどんな生活を送っていたのだろう。さぁ、今。語ろうじゃないか。"IFの物語"を。この世界の主役は、我々だ。異論は認めない、絶対に。
戦争が終戦を迎え、両国大きな傷を負いながらも勝敗を決めて、多くの犠牲者が出た、とある月の終わりの暑い夏。その多くの犠牲者の中には、自分の大切な仲間も、幼馴染も勿論含まれている。何故自分が生き残ってしまったのだ、辛い生活など送りたくなかったのに。脳で想う言葉、哀しみや沢山の後悔に覆われた心は、幼馴染が死んだことが受け入れられずにいた。まだ居る、居るんだ。この世界のどこかに。そう十字架に願いながら探し続け、最終的に四層へ敵国の陸軍師団参謀長と、狙撃部隊の二名、同国の諜報部の彼一名と共に進んでいった。…まぁ、手遅れだったわけだが。その後、屋敷へと住み始め、敵国の人でも信頼出来る仲間になり、新しく狼も飼い始めて、楽しい楽しい生活を送っていた。誰にも言えない悩み、というのもあるし、記憶を交換した、右目が無い彼の存在も他の皆よりも大切な存在となった。
…さて、こうして今までのことを話してみた。
だが、時折思うのだ。
もしも、あの時の行動と別の行動をしていたのなら、どうなったのか…
生きて帰る、という約束が守れていたら。
一人で生きていたけれど、誰かを信じたり守れたりすることができていたら。
自分の師団が壊滅することが無かったら。
戦場で共に戦っていた仲間が亡くならなかったら。
最後の最後で、自分らしくいられたら。
皆が無事で、笑顔で居てくれたなら。
信頼していた仲間に、嘘だけでなく本音を言えていたら。
動物だけでなく、人にも構ってあげていたなら。
自分のせいで他人が死ぬ、なんてことがなかったなら。
神使いの生贄として生まれて来なかったなら。
自分の思う後悔が、その違う行動で後悔では無くなるのではないか?
時が進んだ今、そんなことは有り得ないが。
もしも、あるとするならば、……,
この世界線で違う選択肢を選んだなら。
僕らはどんな生活を送っていたのだろう。
さぁ、今。語ろうじゃないか。
"IFの物語"を。
この世界の主役は、我々だ。
異論は認めない、絶対に。